フィアットとは

 

チンクェチェントという車は、イタリアの与野党超党派の議員にも支持されており、

「チンクェチェントは歴史遺産のひとつだ」と公言する熱い(?)議員まで飛び出して
「チンクェチェント保護法」というニックネームで呼ばれている法案が出るほどの世界的名車なのです。

 


500dスポルトと同排気量を持つ110D.000ユニットを採用した500Dが登場したのは、1960年のこと。ヘッドランプ下に移されたウインカーと丸型サイドナーカー、大型のテールランプが識別点。インテリアではリア・シートバックを倒すことによってらげっじ・スペースに充てられるよう工夫されたほか、フロアパンを改良し後席のレッグ・スペースを拡大している。フロントに置かれた燃料タンクはヌオーバの場合横長だったが、らげっじ・スペース見直しのため左側に設置。また500Dの登場にあわせてステーション・ワゴンのジャルディニエラがラインナップに加わっている。“ヌオーバ”とは、“ニュー(新しい)”の意味。

[エンジン]
□形式:110D.000
□ボア×ストローク:φ67.4×70mm
□総排気量:499.5cc
□圧縮比:7.1:1
□燃料供給:ウェーバー261MB4×1
□最高出力:17.5bhp/4400r.p.m
[車両重量]□500kg
[動力性能]□最高速度95km/h

fiat_titol_500f

500F最大の違いはボディ・パネルにある。新しい安全基準に合わせてドアが前ヒンジになったことのほか、各ピラーがわずかずつ細かくなりウインドーが拡大されている。さらにパネルの構成も異なり、Aピラーやルーフにあった継ぎ目が消えた。リア・サイドウインドー下に回り込むようなプレスラインやリア・ウインドー下部/ボディ・サイド/ボンネットのアルミ・モールも省かれている。エンジンは499.55ccと変わらぬ排気量ながら18bhpにまでスープアップ。’68年からはLに与えられた機械的な改良的の幾つかがFに採用されたことから、これ以降を後期型と呼ぶ場合もある。

[エンジン]
□形式:110F.000
□ボア×ストローク:φ67.4×70mm
□総排気量:499.5cc
□圧縮比:7.1:1
□燃料供給:ウェーバー261MB4×1
□最高出力:18bhp/4400r.p.m
[車両重量]□520kg
[動力性能]□最高速度95km/h


500lLは“LuSSO”つまりデラックスを意味する。500Lは500Fの豪華バージョンと位置付けなわけだが、メカニズムにおいても強化タイプのドライブシャフトの採用など細かく改良の手が入っていた。とは言っても、500Lの存在理由はその豪華な装備にある。外観では前後バンパー・オーバーライダーを追加、エンブレムはフロント、リアとも新デザインに変わった。またインテリアでは、フィアット850と共通の燃料計付きメーター・パネルやビニール・レザー張りのシート、スポーティな意匠の2スポーク・ステアリングが標準。さらにダッシュボードは樹脂製カバーで覆われている。

[エンジン]
□形式:110F.000
□ボア×ストローク:φ67.4×70mm
□総排気量:499.5cc
□圧縮比:7.1:1
□燃料供給:ウェーバー261MB4×1
□最高出力:18bhp/4400r.p.m
[車両重量]□530kg
[動力性能]□最高速度95km/h

 

 

fiat_titol_500r
500の基本的なメカニズムを踏襲するニュー・ベーシック“フィアット126”が‘72年にデビューするが、500は更にその廉価版という形で存続する。Revised(改訂版)の意味をもたせた500“R”と呼ばれるこの最終型チンクェチェントは、‘75年まで生産された。内外観は500Fを踏襲しているが、フロントのフィアット・エンブレムが新しいタイプに変わったほか、メッキモール類を極力省いた簡素な仕様になっている。ホイールは126と同タイプが標準。注目は126用の空冷2気筒594ccエンジンが採用されたことで、最終的には23bhp版を搭載する。

 

[エンジン]
□形式:126.000
□ボア×ストローク:φ73.5×70mm
□総排気量:594cc
□圧縮比:7.5:1
□燃料供給:ウェーバー261MB×1
□最高出力:18bhp/4400r.p.m(23bhp/4800r.p.m)
[車両重量]□520kg
[動力性能]□最高速度100km/h

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